このサイトを作った理由

発達障がいの子どもを持つと、母は孤独だなぁと思います。
子どもとのコミュニケーションは難しく、独特のこだわりがあるので一緒に遊ぶのも難しく、突発的な行動に対処しながら、周囲にはいつも謝ってばかりです。
ママ友同士の交流でも、他のママたちが視界の端に子どもをとらえながらお喋りして盛り上がるのをしり目に、ずっと子どもを追いかけまわしています。
高い所に上ったり、危ないことをしないか、他の人に迷惑をかけないかと、一瞬も目も手も離すことができません。
なかなか寝付かない、夜中や早朝に起きるなど、それに付き合っていると母はゆっくり眠ることもできず、なんとなくいつも疲れている気がします。
子どもが小さいころ、ただ、ただ、振り回されているだけで毎日が過ぎて行って、自分のことに意識を向けることが殆どなくなってしまったし、そのことに気づくことすらできませんでした。
障がい児の母同士で喋っているとき、ふと、普段は見えないその人の素が垣間見えることがあります。
子どものことでいっぱいいっぱいで封印されてしまっているけど、本当はこんなに明るくてお茶目な人なんだなぁと新鮮な驚きを感じつつ、複雑な気分になります。

元々私は、「アロマセラピー」と聞いても、セレブな奥様や女優さんがゴージャスなサロンでやるようなイメージで、まったく興味がありませんでした。
子どものことで余裕がなく、自分の贅沢のために時間やお金を使うということは想像すらできませんでした。
でも、「オキシトシン」が自閉症改善に役立つらしいということを知り、「子どものために」アロマを勉強しようと思ったのです。
「子どものために」という強い動機があったから、時間やお金をなんとか工面して、勉強することができました。
でも、それは同時に、子どもと離れて新しいことを学び、自分と向き合うことにもつながりました。
アロマセラピーを生活に取り入れたからといって、すぐに子どもが劇的に変わるわけではありません。
ただ、香りを感じることで、感覚が研ぎ澄まされていき、自分自身の感情も大切に思えるようになりました。
美容や健康の知識も増え、意識も変わり、人との関わりも変わっていきました。
アロマセラピーをやることで、その効果効能以上に、元気に前向きになれると実感しました。
もちろん、子どもにもよい影響があるに違いないと思っていますが、それは緩やかな変化で分かりにくいものかもしれません。
でも、母への影響はすぐに、はっきりと表れます。
障がい児の母になって、諦めたこと、手放したこと、誰でも少なからずあることでしょう。
でも、アロマをやると自分を大切にしていいと思えるようになります。
「子どものために」がそのまま「自分のために」なるのです。
そんなアロマをお伝えしたくて、「発達障がい児の母のための笑顔になるアロマセラピー」という講座を放課後デイサービスや支援学校などでやりました。
受講者さんからの紹介でまた別のところで声をかけていただいたりというありがたいご縁もいただきました。
でも、いちばんしんどい状態にある人は、そういった講座に参加することさえハードルが高かったりするものです。
それに、時間、場所の制約があると直接伝えられるのはごくごく限られた人だけになってしまいます。
だから、このサイトを作って講座の内容をネットで公開することにしました。
「障がい児の母であること」は、母にとっての障がいではありません。
「障がい児の母」という役割を受け入れつつ、自分らしさも諦めなくていいのです。
母が笑顔でいることが、子どもたちの幸せにつながると思います。
そんな笑顔が少しずつ、増えていくことを願っています。

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